空中散骨に関する基礎知識

一般的に散骨をする主な場所は海上ですが、セスナ機やバルーン、ヘリコプターを使って空中で散骨を執り行うケースもあります。「空葬」と呼ばれる散骨のスタイルはアメリカ合衆国では珍しくなく、むしろ合法的な供養として認められています。1965年にカリフォルニア州で許された事が始まりですが、この時は空中の飛行機から撒く遺灰が落ちる場所は海上である事が条件でした。現在は故人が所有して遺族が引き継いだ土地でも遺灰を撒く事が許可されています。

しかし陸上で遺灰を撒けるのは広大な国土を持つアメリカ合衆国だからこそ可能な供養だと言えます。日本では空から遺灰を撒いても良いとされている地点は海上か国有林のみとされています。日本国内では空葬を請け負ってくれる業者は少ないため、海洋葬よりも価格が高い葬儀になります。空葬の平均的な費用の相場は30万円からですが、これは船をチャーターして身内のみで執り行うチャーター海洋葬とほぼ同じ相場です。

空葬の費用が高い理由、それはその希少さと難易度にあると言えます。空葬の難易度は決して簡単なものではありません。まず空葬に関する手続きや準備に明るい業者を見つけるのは難しく、実際に飛行機に乗る人数は限られるので大人数による供養は不可能です。それに散骨を控えた当日に悪天候になったために中止せざるおえない可能性は十分あります。

ですが苦労した分だけ思い出に残ることが空中散骨の良いところであり、特徴と言えます。