古代日本と共通するインドネシアの葬儀

インドネシアの東部にあるスラウェシ島で生活するトラジャ族の葬儀は、世界中で最も規模が大きく期間が長いです。また古代日本の葬儀といくつかの共通点があります。トラジャ族の葬儀の大きな特徴は、「もがり」という週間です。もがりは、故人が葬られるまでの期間中、故人の再生を願って遺体を布で巻いたり、棺に納めたりします。

仏教が普及する前の日本でも、同じことが行われていました。少し前まで沖縄では風葬が主流で、もがりの名残がありました。トラジャ族は、家族が故人と同じ家で一定期間過ごし、寝るときも故人の近くを選びます。この時点では、故人はまだ病人として扱われます。

復活を願う期間は一般的に3ヶ月程度ですが、長い場合で3年間続くこともあります。子孫が家に帰り親族が駆けつけると、故人の死亡が確定します。まず村人は家の前の露台に集まります。故人の遺体は親族が露台に載せて、高床式の穀倉の下で安置されます。

村人は、威勢良く声をあげて棺を上下左右に揺らします。その様子は日本の神輿を彷彿とさせます。神となり冥界に行く故人の心を奮起させる目的があります。棺を台に戻すと、女性は遺体を囲んで大声で泣きます。

男性は広場で哀悼の唄を歌います。遺体は数日~数ヵ月後に葬儀場に運ばれ、村人全員で哀悼の唄を歌います。最後にトラジャ族で富の象徴とされる水牛が生贄に出されます。水牛の肉は村人に振舞われます。

トラジャ族では、犠牲になった水牛が多いほど立派な葬儀と考えます。ペットのお墓のことならこちら